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【资料】第25、26话日文文本台词

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发表于 2004-2-7 23:35:16 | 显示全部楼层 |阅读模式
资料来源:http://www.age.ne.jp/x/t-igrs/eva/serifu/serifu.htm


第25話 「Air」
 
 
   湖畔に碇シンジ一人でうつむいて立っている。
   湖面から突き出ている電柱から碍子が湖面に落ちて、波紋が広がる。
 
アナウンス:「東棟の第2、第3区画は本日18時より閉鎖されます。引継作業はすべて16時30分までに終了させてください。」
 
   中央病院 第一脳神経科 303病室 惣流・アスカ・ラングレー。
   そのベッドの脇に立つシンジ。
 
シンジ:「ミサトさんも、綾波も怖いんだ。助けて、助けてよアスカ。」
シンジ:「ねえ、起きてよ、ねえ、目を覚ましてよ」 
   アスカの肩に手をかけて軽く揺する。 
シンジ:「ねえ、ねえ、アスカ、アスカ!アスッカ!!」
   今度は強く何度も揺する。
シンジ:「助けて、助けてよ・・・助けて、助けてよ。またいつものように僕を馬鹿にしてよ。」
   さらに強くアスカを揺する。
シンジ:「ねえ!」
   パジャマのボタンが外れ胸があらわになる。息を飲み見つめるシンジ。
シンジ:「はっ!」
   ロックされた病室のドア。
シンジ:「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、(呼吸音、だんだん大きく)」
   シンジの息使いが早くなり不意止まる。
シンジ:「ぅん!」
   白い精液の付いた右手を見つめるシンジ。
シンジ:「最低だ、俺って。」
  
   第2発令所
   EVA-01待機・EVA-02待機・EVA-00抹消・EVA-03抹消・EVA-04抹消と表示された正面スクリーン。
   日向マコト、伊吹マヤ、青葉シゲルの三人が話している。
 
伊吹:「本部施設の出入りが全面禁止?」
日向:「第一種警戒態勢のままか?」
伊吹:「なぜ?最後の使徒だったんでしょ、あの少年が。」
青葉:「ああ、すべての使徒は消えたはずだ。」
日向:「今や平和になったって事じゃないのか?」
伊吹:「じゃあここは?エヴァはどうなるの?先輩も今いないのに。」
青葉:「ネルフは組織解体されると思う。俺たちがどうなるのかは見当も付かないな。」
日向:「補完計画の発動まで自分たちで粘るしかないか。」
   カウントダウンされているディスプレイ。でも逆さま。
 
   夜。峠の待避所にハザードランプを点滅させ止まっているミサトのアルピーヌ・ルノーA310。
   ハンドルにもたれかかり、思いふけっているミサト。
 
ミサト:「出来損ないの群体として、すでに行き詰まった人類を、完全な単体としての生物へと人工進化させる補完計画。まさに理想の世界ね。そのためにまだ委員会は使うつもりなんだわ。アダムやネルフではなく、あのエヴァを。加持君の予想通りにね。」
    
   「ぶおん」(モノリスの出現する音)
    1から12までのナンバーが書かれたモノリスが円周状に時計回りに並んでいる。
    ゼーレのモノリスに囲まれたゲンドウと冬月。
 
キール:「約束の時が来た。ロンギヌスの槍を失った今、リリスによる補完はできぬ。唯一、リリスの分身たるエヴァ初号機による遂行を願うぞ。」
ゲンドウ:「ゼーレのシナリオとは違いますが。」
冬月:「人はエヴァを生み出すためにその存在があったのです。」
ゲンドウ:「人は新たな世界へと進むべきなのです。そのためのエヴァ・シリーズです。」
委員:「我らは人の形を捨ててまで、エヴァという名の箱船に乗ることはない。」
委員:「これは通過儀式なのだ。閉塞した人類が再生するための。」
委員:「滅びの宿命は新生の喜びでもある。」
委員:「神もヒトもすべての生命は死をもって、やがて一つになるために。」
ゲンドウ:「死は何も生みませんよ。」
キール:「死は君たちに与えよう。」
    「ぶおん」(モノリスの消える音)。消えていくモノリス。
冬月:「ヒトは生きていこうとする処にその存在がある。それが自らエヴァに残った彼女の願いだからな。」
 
   シンジが止まったSDATのヘッドホンをしたままベットに横になっている。
 
   ベッドで眠っているレイ。
   「ばさ」(レイが起きる音)。そしてゲンドウのめがねを割って逃亡。
 
   なんかフロッピーみたいなものをくわえてキーボードを打っているミサト。
   どこかへハッキングしている。
 
ミサト:「そぉ、これがセカンド・インパクトの真意だったのね。」
   いきなり警告音が鳴る。
ミサト:「気づかれた!」
   脇に置いてあった銃をとり、周りを警戒する。UCCの空き缶が転がってゆく。
ミサト:「いえ、違うか、始まるわね。」
 
   第2発令所に響く警告音
   側面のモニターが赤い警告文字で埋まっている。
   慌ただしくオペレータの声が飛び交っている。
   受話器を手に冬月が指示をしている。
 
冬月:「左は青の非常通信に切り替えろ。衛星を開いても構わん。そうだ!右の状況は?」
オペレータ:「外部からのチャンネル盗聴、専用回線が一方的に遮断されています。」
冬月:「敵はMAGIか。」
    受話器を置く冬月。
青葉:「すべての外部端末からデータ侵入、MAGIへのハッキングを目指しています。」
冬月:「やはりな。侵入者は松代のMAGI2号か?」
青葉:「いえ、少なくともMAGIタイプ5、ドイツと中国、アメリカからの侵入が確認できます。」
冬月:「ゼーレは総力を挙げているな。彼我兵力差は1対5、分が悪いぞ。」
オペレータ:「第四防壁突破されました。」
日向:「主データベース閉鎖。だめです!侵攻をカットできません。」
伊吹:「さらに外郭部侵入。予備回路も阻止不能です。」
冬月:「まずいな、MAGIの占拠は本部のそれと同義だからな。」
アナウンス:「総員第一種警戒態勢。繰り返す、総員第一種警戒態勢。D級勤務者は可及的速やかに所定の配置に就いてください。」
 
    暗い独房の中
    俯いてベッドに腰掛けているリツコ。
 
リツコ:「分かってるわ。MAGIの自律防御でしょ。」
ネルフスタッフ:「はい、詳しくは第2発令所の伊吹二尉からどうぞ。」
リツコ:「必要となったら捨てた女でも利用する・・・エゴイストな人ね。」
アナウンス:「現在第一種警戒態勢が発令されています。」
 
    耳に携帯電話を当てながらずんずん歩くミサト。
 
ミサト:「状況は?」
日向:「おはようございます。先ほど第2東京からA-801が出ました。」
ミサト:「801?」
日向:「特務機関ネルフの特例による法的保護の破棄、及び指揮権の日本国政府への委譲。」
日向:「最後通告ですよ、ええ・・・そうです。現在MAGIがハッキングを受けています。かなり押されています。」
伊吹:「伊吹です。今、赤木博士がプロテクトの作業に入りました。」
    後ろのリフトからミサトが上がってくる。
ミサト:「リツコが?」
 
   CASPERの中。
 
リツコ:「私、馬鹿な事してる。ロジックじゃないもんね、男と女は。そうでしょ。母さん・・・」
   CASPERの縫われた人工頭脳のカバーをなでる。
 
オペレータ:「強羅地上回線、復旧率0.2%に上昇。」
ミサト:「後どれくらい?」
日向:「間に合いそうです。さすが赤木博士です。120ページを・・・」
ミサト:「MAGIへの侵入だけ?そんな生やさしい連中じゃないわ。たぶん・・・」
冬月:「MAGIは前哨戦に過ぎん。奴らの目的は本部施設及び残るEVA二体の直接占拠だな。」
ゲンドウ:「ああ、リリス、そしてアダムさえ我らに有る。」
冬月:「老人たちが焦るわけだ。」
伊吹:「MAGIへのハッキングが停止しました。Bダナン型防壁を展開、以後62時間は外部侵攻不能です。」
リツコ:「母さん、また後でね。」
 
   ゼーレのモノリス。
 
委員:「碇はMAGIに対し第666プロテクトを掛けた。この突破は容易ではない。」
委員:「MAGIの接収は中止せざるをえないな。」
キール:「出来得るだけ穏便に進めたかったのだが致し方あるまい。本部施設の直接占拠を行う。」
 
   戦略自衛隊の隊員が林の中から姿を現す。
 
戦自隊員:「始めよう、予定通りだ。」
   林の中から次々と立ち上がる黒い戦略自衛隊の隊員達。
   山道を次々と移動していく戦闘車両。第3新東京市に向けられていく戦車砲。
   そして攻撃が開始される。
   破壊されるネルフの施設。
 
オペレータ:「第8から第17までのレーダーサイト沈黙。」
青葉:「特科大隊、強羅防衛線より侵攻してきます。」
日向:「御殿場方面からも二個大隊が接近中。」
冬月:「やはり最後の敵は同じ人間だったな。」
ゲンドウ:「総員、第一種戦闘配置。」
伊吹:「戦闘配置?相手は使徒じゃないのに。同じ人間なのに。」
日向:「向こうはそう思っちゃくれないさ。」
   兵装ビルはミサイルを発射しかしVTOL機の機銃掃射を受け爆発する。
   NERVゲート前でライフルを持ち警戒しているネルフの戦闘スタッフ。
戦闘スタッフ:「っう(口を覆われる)」
戦闘スタッフ:「っう、っう、っう(声にならない)」
   次々とシャッターが開き戦自隊員が突入してくる。
   ネルフ本部通路、大型装甲車両が止まっている。
戦闘スタッフ:「おい、どうした!おい!!」
戦闘スタッフ:「なんだ?」
戦闘スタッフ:「南のハブ・ステーションです!」
   大きな穴があき、大きくはねる装甲車両。
   侵入してきた戦自隊員。
   血塗れになって倒れているネルフの戦闘スタッフの横を次々と通り過ぎていく・・・
 
オペレータ:「第7ゲート使用不能。」
オペレータ:「西5番搬入路にて火災発生。」
オペレータ:「侵入部隊は第一層に突入しました。」
ミサト:「西館の部隊は陽動よ!本命がエヴァの占拠ならパイロットを狙うわ!至急シンジ君を初号機に待避させて!!」
日向:「はい!!」
ミサト:「アスカは?」
青葉:「303号病室です。」
ミサト:「構わないから弐号機に乗せて!」
伊吹:「しかし、未だエヴァとのシンクロは回復していませんが・・・」
ミサト:「そこだと確実に消されるわ。かくまうにはエヴァの中が最適なのよ。」
伊吹:「了解。」
伊吹:「パイロットの投薬を中断。発進準備。」
ミサト:「アスカ収容後、エヴァ弐号機は地底湖に隠して。すぐに見つかるけどケイジよりましだわ。レイは?」
青葉:「所在不明です。位置を確認できません。」
ミサト:「殺されるわよ。捕捉急いで!」
 
   LCLの水槽の中に裸で浮かんでいるレイ。
 
日向:「弐号機射出。8番ルートから水深70に固定されます。」
ミサト:「続いて初号機発進!ジオフロント内に配置して。」
青葉:「だめです!パイロットがまだ!」
ミサト:「え?」
 
   階段の下に膝を抱えてしゃがみ込んだシンジ。
 
ミサト:「なんて事!!」
アナウンス:「セントラルドグマ第二層までの全隔壁を閉鎖します。非戦闘員は第87経路にて待避してください。」
   シャッターが次々と閉まっていく。その途中で爆発が起こる。
   駐車場の隔壁に向かってロケット・ランチャーを発射する戦自隊員。
 
青葉:「地下、第3隔壁破壊。第二層に侵入されました。」
冬月:「戦自、約一個師団の投入か。占拠は時間の問題だな。」
   突然立ち上がるゲンドウ。
ゲンドウ:「冬月先生、後を頼みます。」
冬月:「分かっている、ユイ君によろしくな。」
 
   様々な戦闘シーン。
   しかしそれは戦闘とは呼べず、一方的な殺戮のシーンである。
 
オペレータ:「第2グループ応答なし。」
オペレータ:「72番電算室連絡不能。」
青葉:「52番のリニアレール、爆破されました。」
日向:「たち悪いなぁ、使徒のがよっぽどいいよ。」
ミサト:「無理もないわ、みんな人を殺すことになれていないものね。」
アナウンス:「第3ハブステーションの爆発を確認。死者多数、損害不明。」
 
   ネルフ本部内通路
 
ネルフ女性スタッフ:「っっん、っっん(泣き声)」
   泣きながら同僚の死体を引きずっていく女性スタッフ。
   しかし戦自隊員に見つかり射殺される。
   通路に横たわる多数のネルフスタッフの死体。
   戦自隊員がケーブルを銃で次々と切断していく。
   部屋の内を火炎放射器で焼き尽くす戦自隊員。
   焼かれる女性スタッフの悲鳴。
ネルフ女性スタッフ:「うゅぁぁ!うゅぁぁ!!!」
 
オペレータ:「第3層Bブロックに侵入者!」
オペレータ:「防御できません!!」
青葉:「Fブロック側です。メインバイパスを挟撃されました!」
ミサト:「第3層まで破棄します。戦闘員は下がって。803区間までの全通路とパイプにベークライトを注入!」
青葉:「はい!」
   ベークライトが階段に横たわった血まみれのネルフスタッフの死体を飲み込んでいく。
アナウンス:「第703管区、ベークライト注入を開始。完了まで後30。」
ミサト:「これで少しはもつでしょう。」
アナウンス:「第730管区、ベークライト注入を開始。完了まで後20。」
日向:「葛城三佐!ルート47が寸断されグループ3が足止めを食ってます。このままではシンジ君が!」
   階段の下で膝を抱え俯きながら座っているシンジ。
ミサト:「非戦闘スタッフの白兵戦闘は極力さけて。」
   銃のマガジンを調べ、戦闘態勢を整えるミサト。
ミサト:「向こうはプロよ。ドグマまで後退不可能なら投降した方がいいわ。」
ミサト:「ごめん、後よろしく・・・」
日向:「はい!」
   発令所を後にするミサト。
 
   第3新東京市を見下ろす位置にある山の山腹の戦自の前線指揮本部。
   指揮官らしき男が双眼鏡で戦況を見ている。
戦自隊長:「意外と手間取るな。」
戦自隊員:「我々に楽な仕事はありませんよ。」
 
   銃をチェックしながら会話を交わす二人。
日向:「分が悪いよ。本格的な対人要撃システムは用意されてないからな、ここ。」
青葉:「ま、せいぜいテロ止まりだ。」
日向:「戦自が本気を出したらここの施設なんてひとたまりもないさ。」
青葉:「今考えれば、侵入者要撃の予算縮小ってこれを見越してのことだったのかなぁ。」
日向:「あり得る話だ。」
   発令所下層の隅の壁が爆破される。
日向:「うっわ!!」
   煙の中から機銃が乱射され、盾を持った戦自隊員が突入してくる。
   クッションを抱いてふるえているマヤの脇に、滑り込み銃を渡す青葉。
青葉:「ロックはずして。」
伊吹:「あたし・・・あたし鉄砲なんて撃てません。」
青葉:「訓練で何度もやってるだろ!」
伊吹:「でもその時は人なんていなかったんですよ!!」
青葉:「バカ!!撃たなきゃ死ぬぞ!」
 
<Aパートアイキャッチ THE END OF EVANGELION  EPISODE:25’:love is destructive>
 
    LCLの水槽の前。
ゲンドウ:「レイ。」
ゲンドウ:「やはりここにいたか。」
ゲンドウ:「約束の時だ。さあ、行こう。」
 
    戦自の無線。
 
無線(戦自):「第2層は完全に制圧。送れ。
無線(戦自):「第2発令所とMAGIオリジナルは未だ確保できず。西部下層フロアにて交戦中。」
無線(戦自):「5thマルボルジェは直ちに熱冷却措置に入れ。」
アナウンス:「エヴァパイロットは発見次第射殺。非戦闘員への無条件発砲も許可する。」
アナウンス:「ヤナギハラ隊、B小隊、速やかに下層へ突入。」
   戦自隊員が3人、シンジにつめ寄る。
戦自隊員:「サード発見、これより排除する。」
戦自隊員:「悪く思うな、坊主。」
戦自隊員:「ぅをぉ!!」
   銃弾を頭部に受けて吹っ飛ぶ戦自隊員。
   銃を乱射しながら通路を走ってくるミサト。
戦自隊員:「うわぁ!」
   二人を撃ち殺し、一人にケリを入れて壁まで吹っ飛ばす。
ミサト:「悪く思わないでね。」
   戦自隊員の顎に銃を突きつけ、ためらいもなく引き金を引く。
ミサト:「さあ、行くわよ初号機へ。」
 
   戦自隊員からパクった血塗れの無線機をチューニングしているミサト。
 
無線(戦自):「紫の方は確保しました。ベークライトの注入も問題有りません。」
無線(戦自):「赤い奴は既に射出された模様。目下移送ルートを調査中。」
ミサト:「まずいわね。奴ら初号機とシンジ君の物理的な接触を断とうとしているわ。」
無線(戦自):「ファーストは未だ発見できず。」
ミサト:「こいつはうかうか出来ないわね。」
ミサト:「急ぐわよ。シンジ君。」
   シンジの方を振り向くミサト。しかし、シンジはうつむいたまま。 
ミサト:「ここから逃げるのか、エヴァの所に行くのかどっちかにしなさい。このままだと何もせずただ死ぬだけよ!」
シンジ:「助けてアスカ、助けてよ。」
ミサト:「こんな時だけ女の子にすがって、逃げて、ごまかして、中途半端が一番悪いわよ!」
   シンジの手を引っ張るミサト。しかし、シンジは力無くうなだれている。 
ミサト:「さあ!立って、立ちなさい!」
   シンジを引き起こし、怒鳴りつけるミサト。
シンジ:「もうやだ、死にたい、何もしたくない。」
ミサト:「何甘ったれたこと言ってんのよ!アンタまだ生きてるんでしょ!だったらしっかり生きて!それから死になさい!!」
 
冬月:「構わん、ここよりもターミナルドグマの分断を優先させろ!」
日向:「あちこち爆破されているのに、やっぱりここには手を出さないか。」
青葉:「一気に片をつけたいところだろうが、下にMAGIのオリジナルがあるからな。」
日向:「出来るだけ無傷で手に入れておきたいんだろ。」
青葉:「ただ、対BC兵器装備は少ない。使用されたらやばいよ。」
日向:「N2兵器もな。」
   第3新東京市上空。光の玉が落下してくる。N2兵器である。
   凄まじい爆音と閃光が起こる。
   瞬時に蒸発する特殊装甲板。
   NERVの本部施設が地表に現れる。
青葉:「っちぃ、言わんこっちゃない。」
日向:「奴ら加減ってものを知らないのか!!」
冬月:「ふっ、無茶をしおる。」
   ジオフロントへ雨のように降り注ぐ弾道弾。
伊吹:「ねぇ!どうしてそんなにエヴァが欲しいの?」
   コンソールの下でクッションを抱きかかえたまま絶叫するマヤ。
 
   ミサトの車の中。
 
ミサト:「サード・インパクトを起こすつもりなのよ。使徒ではなくエヴァシリーズを使ってね。」
ミサト:「15年前のセカンド・インパクトは人間に仕組まれたものだったわ。けどそれは、他の使徒が覚醒する前にアダムを卵にまで還元することによって、被害を最小限に食い止めるためだったの。」
ミサト:「シンジ君・・・私たち人間はね、アダムと同じ、リリスと呼ばれる生命体の源から生まれた、18番目の使徒なのよ。他の使徒たちは別の可能性だったの。人の形を捨てた人類の・・・ただ、お互いを拒絶するしかなかった悲しい存在だったけどね。同じ人間同士も・・・」
ミサト:「いい?シンジ君。エヴァシリーズを全て消滅させるのよ。生き残る手段はそれしかないわ。」
 
   第2東京市、首相官邸
 
首相:「電話が通じなくなったな。」
秘書:「はい。3分前に弾道弾の爆発を確認しております。」
首相:「ネルフが裏で進行させていた人類補完計画。人間すべてを消し去るサード・インパクトの誘発が目的だったとは。とんでもない話だ。」
秘書:「自らを憎むことの出来る生物は、人間ぐらいのものでしょう。」
首相:「さて、残りはネルフ本部施設の後始末か。」
秘書:「ドイツか中国に再開発を委託されますか?」
首相:「買いたたかれるのがオチだ。」
首相:「20年は封地だな。旧東京と同じくね。」
 
   前線司令本部
 
無線(戦自):「表層部の熱は退きました。高圧蒸気も問題ありません。」
無線(戦自):「全部隊の初期配置完了。」
戦自隊員:「現在、ドグマ第3層とムラサキの奴は制圧下にあります。」
戦自隊長:「赤い奴は?」
戦自隊員:「地底湖の水深70にて発見、専属パイロットの生死は、不明です。」
 
   地底湖の湖底で膝を抱え込み丸くなって横たわっている弐号機。
 
アスカ:「生きてる・・・」
   湖岸から次々と発射される爆雷。
   爆雷が弐号機の頭部を直撃する。
アスカ:「あぅ、ぐぅ、ぇっん!いゃぁ・・・」
アスカ:「ぇっん!ぇっっん!」
アスカ:「死ぬのはいや・・・死ぬのはいや・・・死ぬのはいや・・・死ぬのはいや・・・ 死ぬのはいや・・・死ぬのはいや・・・死ぬのはいや・・・死ぬのはいや・・・死ぬのはいや・・・死ぬのはいや・・・ 死ぬのはいや・・・死ぬのはいや・・・死ぬのはいや」
どこからともなく聞こえる声:「まだ、生きていなさい。」
アスカ:「死ぬのはいや・・・死ぬのはいや・・・死ぬのはいや・・・」
どこからともなく聞こえる声:「まだ、死んではだめよ。」
アスカ:「死ぬのはいや・・・死ぬのはいや・・・」
どこからともなく聞こえる声:「まだ、死なせないわ。」
アスカ:「死ぬのはいや・・・」
どこからともなく聞こえる声:「殺さないわ。」
重なる声:「死ぬのはいや・・・死なせないわ・・・死ぬのはいや・・・死んではだめよ・・・死ぬのはいや・・・死ぬのはいや・・・殺さないわ・・・・・・・」
アスカ:「死ぬのは、いやーーー!!!!」
アスカ:「マ・・ママ・・・、ここに居たのね・・・ママ!!!」
 
    「きゅぴーん!」弐号機の四つの複眼が点灯する。
    地底湖に浮かぶ護衛艦を突き抜けて十字架状の爆発が起きる。
 
戦自隊員:「こっ、これは?」
戦自隊員:「やったか?」
    湖面から少しずつ持ち上がっていく護衛艦。
    弐号機が姿を現す。
    湖岸から多数のミサイルが発射される。
    護衛艦を斜めに傾けてミサイルを防ぐ弐号機。
アスカ:「どをりゃぁぁ!!」
    湖岸の戦自車両目がけて護衛艦を投げつける。
アスカ:「ママ、ママ、解ったわ!」
アスカ:「ATフィールドの意味。」
アスカ:「私を守ってくれてる。」
アスカ:「私を見てくれてる。」
アスカ:「ずっと、ずっと、一緒だったのね。ママ!」
伊吹:「エヴァ弐号機起動。アスカは無事です!生きてます!!」
ミサト:「アスカが!」
    助手席でびくっと動くシンジ
 
戦自隊員:「ケーブルだ!奴の電源ケーブル、そこに集中すればいい!!」
    切断されるアンビリカルケーブル。
アスカ:「っちぃ!アンビリカルケーブルが無くったって!」
アスカ:「こちとらには1万2千枚の特殊装甲と!」
アスカ:「ATフィールドがあるんだからぁ!!」
アスカ:「負けてらんないのよ!あんた達にぃ!!!」
    鷲掴みにしたVTOL機をぶん回す、たたきつける、投げつける。
    踵落としはする、回し蹴りはするの大活躍!
 
    ゼーレのモノリス。
 
キール:「忌むべき存在のエヴァ、またも我らの妨げとなるか・・・やはり、毒は同じ毒を以て征すべきだな。」
 
    上空。エヴァ専用大型輸送機が重なり合い編隊を組むように飛行している。
    そこには白いエヴァシリーズが固定されている。
    赤いダミープラグが挿入される。そこには「KAWORU」の文字が刻まれている。
    輸送機から切り離され自由落下するエヴァシリーズ9体。
    そして背中から逆三角形の翼が展開されていき、ジオフロントの周りを旋回していく・・・
 
    上空を見上げるアスカ
 
アスカ:「エヴァ・シリーズ、完成していたの?」
 
冬月:「S2機関搭載型を9体、全機投入とは。大げさすぎるな。まさか、ここで起こすつもりか?」
    次々着陸するエヴァシリーズ。弐号機の周りを取り囲む。
 
ミサト:「いい?アスカ。EVAシリーズは必ず殲滅するのよ。シンジ君もすぐに上げるわ。がんばって。」
    携帯電話を切り替える
ミサト:「で、初号機へは非常用のルート20で行けるのね?」
日向:「はい。電源は3重に確保してあります。3分以内に乗り込めば、第7ケージへ直行できます。」
    シンジに歩み寄り、その手をつかむミサト。しかしシンジは動かない。
    ミサトはシンジを引きずって連れていく。
 
    弐号機の中。
 
アスカ:「必ず殲滅、ね。ミサトも病み上がりに軽く言ってくれちゃって。」
アスカ:「残り3分半で9つ。一匹に付き20秒しか無いじゃない。」
アスカ:「ぅおーりゃー」
    エヴァシリーズに飛びつく弐号機。
    頭をつぶされ、担ぎ上げられ、血を吹き出す量産型。
    その中でにやりと微笑むアスカ。
アスカ:「エーステ!」
 
    シンジの手を取って通路を歩いているミサト。
 
ミサト:「ここね。」
    鳴り響く銃声。脇腹を撃たれるミサト。
    R-20へ逃げ込む二人。
戦自隊員:「逃がしたか。」
戦自隊員:「目標は射殺できず。追跡の是非を問う。」
通信兵:「追跡不要。そこは爆破予定である。至急戻れ。」
戦自隊員:「了解。」
 
    脇腹を押さえているミサト。
 
ミサト:「これで・・・時間、稼げるわね。」
ミサト:「はあ、はあ、ん」
ミサト:「大丈夫。大したこと、ないわ。」
ミサト:「電源は生きてる。行けるわね。」
ミサト:「いい?シンジ君。ここから先はもうあなた一人よ。すべて一人で決めなさい。誰の助けもなく。」
シンジ:「僕は・・・だめだ。だめなんですよ。人を傷つけてまで、殺してまでエヴァに乗るなんて、そんな資格ないんだ。」
シンジ:「僕は、エヴァに乗るしかないと思ってた。でもそんなのごまかしだ。なにも分かってない僕にはエヴァに乗る価値もない。僕には人の為に出来ることなんてなにもないんだ!」
シンジ:「アスカに酷いことしたんだ。カヲル君も殺してしまったんだ。優しさなんかかけらもない、ずるくて臆病なだけだ。僕には人を傷つけることしかできないんだ。だったらなにもしない方がいい!!」
ミサト:「同情なんかしないわよ。自分が傷つくのがいやだったら何もせずに死になさい。」
シンジ:「ひく・・・」
ミサト:「今泣いたってどうにもならないわ!」
シンジ:「は、ふく」
ミサト:「自分が嫌いなのね。だから人も傷つける。自分が傷つくより人を傷つけた方が心が痛いことを知ってるから・・・でも、どんな思いが待っていてもそれはあなたが自分一人で決めたことだわ。価値のあることなのよ、シンジ君。あなた自身のことなのよ。ごまかさずに、自分の出来ることを考え、償いは自分でやりなさい・・・はぁ」
シンジ:「ミサトさんだって・・・他人のくせに!!何も分かってないくせに!!!」
    シンジの胸ぐらを掴みかかる。
ミサト:「他人だからどうだってのよ!!あんたこのままやめるつもり!今、ここで何もしなかったら、」
    シンジの顔を両手で掴みかかるミサト。
ミサト:「あたし許さないからね!!一生あんたを許さないからね!」
ミサト:「今の自分が絶対じゃないわ。後で間違いに気づき、後悔する。あたしはその繰り返しだった。ぬか喜びも、自己嫌悪を重ねるだけ。でも、その度に前に進めた気がする。」
ミサト:「いい、シンジ君。もう一度エヴァに乗ってケリを付けなさい。エヴァに乗っていた自分に、何のためにここにきたのか、何のためにここにいるのか、今の自分の答えを見つけなさい。」
ミサト:「そして、ケリを付けたら、必ず戻ってくるのよ。」
    ペンダントをはずし、シンジに手渡すミサト。
ミサト:「約束よ。」
ミサト:「行ってらっしゃい。」
    シンジにキスをするミサト。
ミサト:「大人のキスよ。帰ってきたら続きをしましょう。」
    開く扉。倒れ込むようにその中へ入っていくシンジ。
シンジ:「はぁ・・」
    閉じる扉。
    そしてエレベーターが動き出す。
    その外では、ミサトが壁により掛かり、そして床へ・・・倒れ込む。
ミサト:「はぁ・・・こんなことなら、アスカの言うとおり・・・カーペット、換えときゃよかった。ねぇ・・・ペンペン・・・」
ミサト:「加持くぅん。あたし、これで良かったわよね。」
    ミサトの倒れている傍らに現れるレイ。
    その瞬間爆発が起こり、その場のすべてを覆う。
 
    エレベーターの中。泣きながら顔を拭っているシンジ。
    口元にはミサトの血が・・・・
    泣きじゃくるシンジ。
シンジ:「うく、ひく・・・・ぐ・・・・ぎゅぇ・・・」
 
    弐号機の戦闘シーン。
 
アスカ:「ぅわぁーーーーー!!」
    エヴァシリーズに飛びつき、地底湖に押しつける弐号機。
アスカ:「うわぁーーー!!」
    その水中でプログナイフを頭に刺す。
    おれるプログナイフ。
    手を上に上げ、やがて動かなくなるエヴァシリーズの一機。
    別の敵を求めて、地底湖からでてくる弐号機。
    おれたプログナイフの刃が、またでてくる。
アスカ:「うわぁーーー!!」
    踏み込むと同時に、エヴァシリーズのうちの一体の右腕を切り落とす。
    きりもみして落下し、地面に突き刺さるエヴァシリーズの武器。
    蹴り倒してプログナイフを振り構えるが、粉々になる。
アスカ:「ち!」
    そのとき、エヴァシリーズが弐号機の頭を鷲掴みにする。
アスカ:「きゃぁ!」
    押されまいと踏ん張り、前に押し返す弐号機。
    そして首をつかみ、その首をへし折る。
アスカ:「は!」
    上空から武器を構えて降りてくるもう一機。
    後ろに転がりながらそれをかわし、地面に刺さった武器に掴まり、止まる。
アスカ:「くぅーーー」
    そしてその武器で、相手の攻撃を受け止める。
    互いに吹き飛ぶ。
    構えなおし、その武器を後ろから横になぎ払う。
アスカ:「でぇーーーー」
 
    シンジがいる初号機のケージで、アスカの声が反響している。
    そこでシンジはうずくまっている。
 
アスカ:「もぅ、しつこいわねぇ。バカシンジなんてあてにできないのにぃ!」
アスカ:「ふぅぅ、はぁぁー、うおーーー」
    ともに2合撃ち合い、その反動でバランスを崩す。
    そして3合目で、エヴァシリーズの背中をとらえる。
    血を吹き出しながら倒れ込むエヴァシリーズ。
 
    ターミナルドグマのリリスの前。
    レイをつれたゲンドウ。
    そこにはリツコがLCLの前で座っていた。
 
リツコ:「お待ちしておりました。」
    そして静かに銃を構える・・・
 
    再び弐号機の戦闘シーン。
    上半身を切られたエヴァシリーズが回転しながら宙を舞っている。
    そしてその下半身が血を吹き出し、たっている。
 
アスカ:「うわぁぁぁーー!」
    武器を地面をすりながら、相手の足を切断する弐号機。
    倒れていくエヴァシリーズ。
    バランスの崩れた弐号機に、ほかのエヴァシリーズが飛びかかる。
アスカ:「えぅぅ!」
    腹をつかみ、左肩のパーツから杭のようなものを頭に打ち出す弐号機。
    歓喜の表情ともとれる顔をするアスカ。
    のけぞったエヴァシリーズに、もう一度打ち出す。
    
    再びターミナルドグマ。
 
リツコ:「ごめんなさい。あなたに代わり、先ほどマギのプログラムを変えさせてもらいました。」
リツコ:「娘からの最後の頼み。母さん、一緒に死んでちょうだい。」
   「ピ(電子音)」
リツコ:「作動しない?なぜ?」
    ポケットからリモコンを取り出す。
    鳴り続ける電子音「ピーピーピー」
リツコ:「はぁ、カスパーが裏切った。母さん。娘より自分の男を選ぶのね。」
    「かちゃ」銃を構えるゲンドウ。
ゲンドウ:「赤木リツコ君。」
ゲンドウ:「本当に・・・・・・(何をしゃべっているのか聞こえない)」
リツコ:「嘘つき・・・」
    鳴り響く銃声。撃たれ、LCLの中へ吹き飛んでいくリツコ。
    その瞬間、レイの姿が見える。
    驚きの表情を見せるリツコ。
    「ばっしゃーーーん」
 
    発令所
    未だ銃撃戦。
    「がーん」
    割れたNERVのマグカップ。
 
日向:「外はどうなってる?」
伊吹:「活動限界まで、一分を切ってます。このままじゃアスカは!」
 
    エヴァの活動の残り時間が表示されている。
    残り0:46:56
アスカ:「うぉーーーーー!!」
    首をつかみ、壁に押し込む弐号機。
    そしてその奥で握りつぶす。
    壁の奥から血しぶきがあがる。
 
    シンジのいる第7ケージ
 
アスカ:「負けてらんないのよ!ママが見てるのにぃ!」
シンジ:「ママ?」
シンジ:「母さん・・・」
 
    首を握りつぶしたエヴァシリーズの一機を、最後の一機に片手で投げつける。
    ぶつかるエヴァシリーズ二機。
アスカ:「こ・れ・で・ラストォー。」
    投げたエヴァシリーズをつかみ、その胴にパンチを入れる。
    一機を貫き、その後ろのもう一機のコアをつかむ。
アスカ:「ぬうぅぅぅぅぅぅーーー」
    コアの周りから血を吹き出す。
    残り時間が表示される。0:14:56
    さらに力を込める。
アスカ:「うぉぉぉぉーーーー」
    何かに気がついたように顔を向けるアスカ。
    どこからともなく飛んでくるエヴァシリーズの武器。
    右腕を引き抜き、ATフィールドでそれを阻止する弐号機。
    しかしその形態が変わっていく・・・
アスカ:「ロンギヌスの槍?」
    貫かれるATフィールド。
    その槍は弐号機の頭部へ突き刺さる。
アスカ:「きゃぁぁぁぁーーーーーー」
    残り時間が0:00:00になる。
    力無く後ろに倒れ込む弐号機。
    頭に刺さった槍に支えられ、その場で停止する。
アスカ:「あぁぁーーあぁぁーーあぁぁーーーー!」
    無我夢中でレバーを動かしまくるアスカ。
 
伊吹:「内蔵電源、終了。活動限界です。エヴァ弐号機、沈黙。」
   「ピコピコピコ・・・」マヤの端末が鳴る。
伊吹:「何これ?倒したはずのエヴァシリーズが・・・」
    倒したはずのエヴァシリーズが、それぞれ奇声を上げてよみがえる。
伊吹:「エヴァシリーズ。活動を再開。」
    弐号機に群がるエヴァシリーズ。
    羽を広げ、上空に舞い上がる。
青葉:「とどめを刺すつもりか。」
    弐号機に群がり、食いちぎっていくエヴァシリーズ。
伊吹:「う、うぅぅ。」
日向:「どうした!」
伊吹:「もう見れません!はぁぁ!見たくありません!」
日向:「こ、これが、弐号機?」
    マヤのモニターに、破壊されていく弐号機のシルエットが写っている。
    ぐちゃぐちゃに引きちぎられ、原型がなくなっていく弐号機・・・
    全てのエヴァシリーズが、腸らしきものをくわえ舞い上がる。
アスカ:「ぅ・・うぅぅ・・・ふはぁぁ・・・」
アスカ:「殺してやる。」
    弐号機のむき出しになった顔。
    その目に灯がともり、口を開ける。   
    エントリープラグのモニターが入る。弐号機は起動する。
アスカ:「殺してやる・・・殺してやる・・・殺してやる・・・」
    左目を押さえ、天に右手を伸ばすアスカ。
    弐号機も同じ動きをする。
アスカ:「殺してやる・・・殺してやる・・・殺してやる・・殺してやる・・・殺してやる・・・」
日向:「暴走か!」
    「ピーピーピー」鳴り響く電子音。
伊吹:「アスカ、もうやめて!」
アスカ:「殺してやる・・・殺してやる・・・殺してやる・・殺してやる・・・殺してやる・・・殺してやる・・・殺してやる・・・殺してやる・・殺してやる・・・殺してやる・・・」
    ざく!アスカの右手が左右にまっぷたつになる。
    弐号機の手がロンギヌスの槍に貫かれたせいで・・・
    そして、どこからともなく無数のロンギヌスの槍が弐号機に突き刺さる。
 
    初号機ケージ内に響きわたるマヤの絶叫。
    
伊吹:「ひぃ!シンジ君!!弐号機が!!アスカがぁ!!アスカがぁ!!!!」
シンジ:「だってエヴァにのれないんだ。どうしようもないんだ。」
    そのとき、硬化ベークライトに固められている初号機の腕が動き出す。
    そして、シンジの座っている場所に、その腕を伸ばす。
シンジ:「母さん。」
 
    ターミナルドグマ。
 
ゲンドウ:「初号機が動き出したか・・・」
 
    「きゅぴーん!」
    十字の光の柱が天を貫く。
    そして、その光の柱が左右に分かれ、それが光の羽へと変化していく・・・
 
戦自隊員:「エヴァンゲリオン初号機。」
戦自隊長:「まさに悪魔か!」
 
    あたりが荒野と化していく・・・
    初号機のエントリープラグに座っているシンジ。
 
シンジ:「アスカ!」
    エヴァシリーズに引きちぎられ、食いちぎられた弐号機。
    その機体は上空まで運ばれ、エヴァシリーズとともに旋回していた。
シンジ:「はぅ!」
シンジ:「うわぁぁぁぁぁぁーーーーー!うわぁぁぁぁーー!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 楼主| 发表于 2004-2-7 23:36:32 | 显示全部楼层
第26話 「まごころを、君に」

    ターミナルドグマ
    向かい合うゲンドウとレイ。
 
ゲンドウ:「アダムは、すでに私とともにある。」
ゲンドウ:「ユイと再び遭うには、これしかない。アダムとリリスの、禁じられた融合だけだ。」
    レイの左腕がもげ、落ちる。
ゲンドウ:「時間がない。ATフィールドがおまえの形を保てなくなる。」
ゲンドウ:「始めるぞ、レイ。ATフィールドを、心の壁を解き放て。」
ゲンドウ:「かけた心の補完。不要な身体を捨て。全ての魂を今一つに。そして、ユイの元へ行こう。」
    レイがゆっくりと目を閉じる。
    ゲンドウの手がレイの乳房を鷲掴みにし、そのまま、身体に潜り込む。
    そして、その手が下腹部に達する。
レイ:「うっ」
    悶え、ともとれるような声。
 
 
<第26話 まごころを、君に>
  
 
   ジオフロント
    背中に4枚の羽根をはやした初号機。嵐のように吹き荒れる風。
 
シンジ:「アスカ!」
    エヴァシリーズに引きちぎられ、食いちぎられた弐号機。
    その機体は上空まで運ばれ、エヴァシリーズとともに旋回していた。
シンジ:「はぅ!」
シンジ:「うわぁぁぁぁぁぁーーーーー!うわぁぁぁぁーー!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 
レイ:「碇くん!」
 
シンジ:「うわぁーーーー」
    シンジの絶叫とともに初号機の背中の装甲が弾け飛び、光の十字架を背負う。
    初号機は、そのまま空中に吊るされていく。
    そして、月に刺さっていたロンギヌスの槍が、突然ジオフロントに向かって飛び出す。
 
戦自隊員:「大気圏外より、高速接近中の物体あり。」
戦自隊員:「何だとぉ?」
 
    ジオフロントに向かって飛来する一筋の光。
  
    第2発令所
 
冬月:「いかん。ロンギヌスの槍か?」
    月から飛来してきたオリジナルのロンギヌスの槍が初号機の喉元の寸前で止まる。
    下を向いたまま、ぴくりともしないシンジ。
    
    暗い部屋の中
    12枚のモノリスが円を書いて並んでいる。
 
キール:「遂に我等の願いが始まる。」
委員04:「ロンギヌスの槍もオリジナルがその手に返った。」
委員09:「いささか数が足りぬが、やむを得まい。」
ゼーレ:「エヴァシリーズを本来の姿に・・・」
ゼーレ:「我等人類に福音をもたらす真の姿に・・・」
ゼーレ:「等しき死と祈りをもって、人々を真の姿に・・・」
キール:「それは魂の安らぎでもある・・・。では儀式を始めよう。」
    エヴァシリーズの1機がむさぼり食っていた弐号機の身体の一部を空中から放り捨てる。
    エヴァシリーズの手から放たれたロンギヌスの槍が初号機の掌を貫く。
    弐号機の素体。エヴァシリーズが十字架をくわえたまま上昇していく。
 
    第2発令所
 
日向:「EVA初号機、拘引されていきます。」
青葉:「高度12000!さらに、上昇中!」
冬月:「ゼーレめ。初号機を依代とするつもりか?」
 
    エヴァシリーズが初号機の元を離れる。初号機の両目の光が消える。
 
シンジ:「はぁ・・・はぁ・・・はぁーーー」
    突如現れた、両手の平の聖痕を見つめ、痛みに耐えるシンジ。
 
    暗い部屋の中
  
キール:「EVA初号機に聖痕が刻まれた。」
委員:「今こそ衷心の木の復活を。」
キール:「我等が下僕エヴァシリーズは、皆、この時のために・・・」
    エヴァシリーズが虹色の円になる。
 
    第2発令所
 
青葉:「エヴァシリーズ、S2機関を解放。」
日向:「次元測定値が反転。マイナスを示しています。観測不能!数値化できません。」
冬月:「アンチATフィールドか!」
    ジオフロント上空で初号機を中心にセフィロトの樹が描かれる。
伊吹:「全ての現象が15年前と酷似してる。じゃあ、これって、やっぱり・・サードインパクトの前兆なの?」
 
戦自隊員:「S2機関限界。」
戦自隊員:「これ以上はもう通常の引力では救出なりません。」
戦自隊長:「作戦は、失敗だったな。」
    次第に赤い光に包まれ、ジオフロントが巨大な火柱に包まれる。
 
    第2発令所
    激震に襲われ、モニターにEMERGENCYと表示される。
 
青葉:「直撃です。地上堆積層融解。」
日向:「第2波が本部周辺を掘削中!外郭部が露呈していきます。」
    爆風が、あらゆ るものを根こそぎ吹き飛ばす。
冬月:「まだ物理的な衝撃波だ。アブソーバーを最大にすれば耐えられる。」
    爆風が 波紋のように広がり日本全土を包む。
 
    暗い部屋の中
 
委員11:「悠久の時を示す赤き土の禊をもって・・・まずはジオフロントを・・・」
キール:「真の姿に・・・」
    露呈した地表からのぞく、黒い球体の一部。
 
冬月:「人類の生命の源たるリリスの卵、黒き月・・・今さらその殻の中へと還ることは望まぬ。・・・だが、それも・・・リリス次第か。」
 
    ターミナルドグマ
    リリスの顔
 
ゲンドウ:「ことが始まったようだ。さあ、レイ。私をユイのところへ導いてくれ。」
ゲンドウ:「まさか・・・?」
    融合しようとした腕を引き抜こうとするが、できずに顔をゆがめるゲンドウ。
    その腕はレイに吸収されている。
レイ:「私は、あなたの人形じゃない。」
ゲンドウ:「くあぁ・・・(ようやく引き抜くが腕をもがれる。そのまま後ずさりし)なぜだ?」
レイ:「私はあなたじゃないもの。」
    左腕を再生するレイ。振り返ると、宙に浮き上昇していく。
ゲンドウ:「レイ・・・!」
ゲンドウ:「頼む!・・・待ってくれ・・・。レイ!」
レイ:「だめ。碇くんが呼んでる。」
    ゲンドウの方を見向きもせずリリスの前に浮遊する。
ゲンドウ:「レイ!」
    リリスと向き合ったまま浮遊している。
レイ:「ただいま」
<「おかえりなさい。」>
    リリスの胸に取り込まれ、レイと融合する。
    リリスの足が完全なものとなり、はりつけられていた十字架から手を引き抜く。
    前かがみに倒れ込み、その仮面がLCLの中に落下する。
    右腕を押さえたまま、じっと見つめているゲンドウ。
    リリスの身体が女性のようなしなやかな物へと変化していく・・・
ゲンドウ:「レイ・・・」
 
    第2発令所
 
青葉:「ターミナルドグマより、正体不明の高エネルギー体が急速接近中。」
日向:「ATフィールドを確認。分析パターン青。」
伊吹:「まさか・・・使徒?」
日向:「いや、違う!ヒト、人間です!」
    リリスが、もたげていた身体をゆっくりと起こす。
    そしてその手が、マヤの体をすり抜けていく。
伊吹:「ふあぁ・・・いやあぁーーー!いやぁーーーーー!!」
    頭を抱えて、恐怖 におののくマヤ。
 
    ジオフロント上空
 
シンジ:「ちきしょぉ、ちきしょぉ・・・・ちきしょぉ、ちきしょぉ!」
    ミサトの ペンダントを見て、何も出来ないことを悔しがる。
    ただ顔を覆うだけのシンジ。
    そこに巨大化したリリスがせまって来る。
シンジ:「あやなみ?・・・レイ・・・・・」
    リリスと顔を合わせるシンジ。その瞬間リリスに目が生まれる。
    初号機と向かい合うリリス、それを取り囲むエヴァシリーズ。
シンジ:「うわあぁーーーーーーーーーーーーーー」
シンジ:「うわあぁーーーーーーーーーーーーーー」
シンジ:「うわあぁーーーーーーーーーーー」
 
    暗い部屋の中
 
委員:「エヴァンゲリオン初号機パイロットの荒れた自我をもって人々の補完を。」
キール:「三度の報いの時を・・・今。」
    リリスを取り囲むように空中に停滞するエヴァシリーズ。
    そしてそのATフィールドが波紋のような図形を描き、光を放つ。
 
    第2発令所
 
青葉:「エヴァシリーズのATフィールドが共鳴!」
日向:「さらに増幅しています!」
冬月:「レイと同化をはじめたか。」
 
エヴァシリーズ:「ウフフ・・・」
    エヴァシリーズの口からレイの顔が生えていく。
    それを見て恐怖に顔を引きつらせるシンジ。
    初号機の雄叫びとともに、コアがむき出しとなる。
 
シンジ:「うわぁーーーーー」
    何度もトリガーを引くが、初号機は一向に動く気配を見せない。
シンジ:「うわぁーー」
シンジ:「うわぁーーーーー」
シンジ:「うわぁー」
シンジ:「うわぁーーーーー」
シンジ:「うわぁーーーーー」
 
青葉:「心理グラフ、シグナルダウン!」
日向:「デストルドーが形而下されていきます。」
冬月:「これ以上はパイロットの自我がもたんか・・・」
シンジ:「もういやだ。」
シンジ:「もういやだ。」
シンジ:「もういやだ。」
シンジ:「いやだ。」
シンジ:「いやだ。」
シンジ:「いやだ。」
シンジ:「もういやだ。」
カヲル:「もう、いいのかい?」
    突然のカヲル声に顔を上げるシンジ。
シンジ:「ここにいたの?・・・カヲルくん」
    涙を浮かべながらも微笑むシンジ。
    リリスの上半身からレイとともに生えているカヲルが、初号機に手を伸ばす。
    気持ちよさそうに目を閉じるシンジ。
    カヲルの存在に気付き、落ち着きを取り戻すシンジ。
    初号機のコアにロンギヌスの槍が近づく。
 
青葉:「ソレノイドグラフ反転!自我境界が弱体化していきます。」
日向:「ATフィールドもパターンレッドへ」
冬月:「使徒の持つ生命の実とヒトのもつ知恵の実。その両方を手に入れたEVA初号機は神に等しき存在となった。そして今や、命の大河たる生命の木へと還元していく。この先にサードインパクトの無からヒトを救う方舟となるか、人を滅ぼす悪魔となるのか?・・・未来は碇の息子にゆだねられたな・・・」
    初号機のコアにロンギヌスの槍が取り込まれ、初号機が樹に包まれる。
伊吹:「ねぇ、私たち正しいわよね?」
    青葉に袖をつかみ、おびえながらマヤが言う。
青葉:「分かるもんか。」
 
    生命の樹に無数の目が生まれる。
    カヲルの顔がレイの顔へと変化する。
 
ユイ:「今のレイはあなた自身のものよ。あなたの願いそのものなのよ。」
レイ:「何を願うの?」
 
    水が滴る音。
    スポットライト。
    ゆっくりと揺れるブランコ。
    むすんでひらいて・・・・
 
シンジ:「そうだ・・・。チェロを始めたときと同じだ。ここに来たら・・・何かあると思ってた・・・」
園児A:「シンジくんもやりなよ!」
園児B:「頑張って完成させようよ、お城。」
幼いころのシンジ:「・・・うん!」
    二つの照明。
    シンジの隣にいるのは2体の人形。
    さらに速く揺れるブランコ。
園児A:「あ!ママだ」
園児:「帰らなきゃぁ!じゃあねぇー!」
    木製の舞台の上にあるパイプ椅子に座っている女性。
    そして誰も座っていないパイプ椅子が四つ。
園児B:「ママーーー」
    手が止まる幼いころのシンジ。
    カラスの鳴き声。
    木製の巨大なやぐら。
    今にも泣きだしそうなシンジ。
    また一人でお城を作りだすシンジ。
    スポットライトに灯がともる。
    完成したネルフ本部に似たお城を見つめるシンジとその後ろに見えるスポットライト。
幼いころのシンジ:「えい、えい!えい、えい!・・・(揺れが止まっていくブランコ)・・・うう、えい!えい、えい!」
    壊れたお城を見て泣くシンジ、嗚咽を漏らす。
    しかし、砂をまたかき集める。
    二つの照明がシンジの背を照らす。
 
アスカ:「ちゃぁーーもぉーーー。アンタ見てると・・・いらいらすんのよぉ。」
シンジ:「自分みたいで?」
    裸で重なっているような二人。
 
幼いころのアスカ:「ママー」
アスカ:「マ・マ・・・」
シンジ:「ママ」
 
    血のついたミサトのペンダント。
 
ミサト:「結局、シンジくんの母親にはなれなかったわネ。」
    金属バットの音。
    洗濯物。
    ミサトと加持が同棲していた部屋。
    回っている扇風機。
ミサト:「ねえ。ねえ。しよう!」
加持:「またかぁ、今日は学校で友達と会うんじゃなかったっけ?」
ミサト:「ん?あーリツコね。いいわよ。まだ時間あるしぃ。」
加持:「もう1週間だぞ。・・・ここでごろごろし始めて。」
ミサト:「だんだんね。コツがつかめてきたの。だからぁーー。ねェ。」
ミサト:「っっん」
ミサト:「多分ねぇー。自分がここにいることを確認するために・・・こういうことするの。」
アスカ:「バッカみたい!ただ寂しい大人が慰めあってるだけじゃないの。」
    傍観するシンジ。
リツコ:「身体だけでも、必要とされてるものね。」
ミサト:「自分が求められる感じがして、嬉しいのよ。」
アスカ:「イージーに自分にも価値があるんだって思えるものねぇ。それって。」
シンジ:「これが・・・。こんなことしてるのがミサトさん?」
    けげんそうなシンジ。
    ミサトのペンダント。
ミサト:「そうよォ。これもワタシ。お互いに溶け合う心がうつしだす。シンジくんの知らないワタシ。」
ミサト:「ホントのことは結構、痛みを伴うものよ。それに耐えないとね。」
アスカ:「あぁあ。私も大人になったらミサトみたいなこと・・・するのかなぁ?」
 
アスカ:「ねぇ。キスしようか?」
ミサト:「ダメ。」
アスカ:「それとも怖い?」
ミサト:「子供のするもんじゃないわ。」
アスカ:「じゃあ、いくわよ。」
アスカ:「何も判ってないくせに、私のそばに来ないで。」
シンジ:「判ってるよ。」
アスカ:「判ってないわよ・・・バカ!(シンジにケリをいれるアスカ)あんた私のこと分かってるつもりなの?」
アスカ:「救ってやれると思ってるの?・・・それこそ傲慢な思い上がりよ!判るはずないわ。」
シンジ:「・・・判るはずないよ。アスカ何も言わないもの。何も言わない。何も話さないくせに。判ってくれなんて、無理だよ!」
レイ:「碇くんは判ろうとしたの?」
シンジ:「判ろうとした。」
アスカ:「バ~~カ。知ってんのよ、アンタは私をオカズにしてること。いつもみたくやってみなさいよ。ここで観ててあげるから。」
アスカ:「あんたが全部私のものにならないなら。私・・・何もいらない。」
    電車の中でシンジに訴える。
    シンジの向いの席にはレイが座っている。
シンジ:「だったら僕にやさしくしてよ。」
ミサト・アスカ・レイ:「やさしくしてるわよ。」
シンジ:「ウソだ。笑った顔でごまかしてるだけだ。曖昧なままにしておきたいだけなんだ。」
レイ:「本当のことは皆をキズつけるから。それはとても、とてもツライから。」
シンジ:「曖昧なものは・・・僕を追いつめるだけなのに・・・」
レイ:「その場しのぎね。」
シンジ:「このままじゃ怖いんだ。いつまた僕がいらなくなるのかも知れないんだ。ザワザワするんだ。落ち着かないんだ。声を聞かせてよ。僕の相手をしてよ。僕にかまってよォ・・・」
  
    再び電車の中。
    シンジの背後にミサト、アスカ、レイ。後ろを振り返るシンジ。
 
    ミサトの部屋
    落ち込むアスカをシンジが励まそうとしている。
シンジ:「何か役に立ちたいんだ。ずっと一緒にいたいんだ。」
アスカ:「じゃあ、何もしないで。もうそばに来ないで。あんた私を傷つけるだけだもの。」
シンジ:「アスカ助けてよ・・・。ねぇ、アスカじゃなきゃダメなんだ。」
アスカ:「ウソね」
    シンジを睨みつけるアスカ。
    詰め寄るアスカと後ずさりするシンジ。
アスカ:「あんた・・・誰でもいいんでしょ。ミサトもファーストも怖いから。お父さんもお母さんも怖いから。私に逃げてるだけじゃないの。」
シンジ:「助けてよ。」
アスカ:「それが一番楽でキズつかないもの。」
シンジ:「ねぇ。僕を助けてよ。」
アスカ:「ホントに他人を好きになったことないのよォ。」
    胸を突かれるシンジ。
    コーヒーメーカーをたおし、こぼれたコーヒーの上に倒れる。
    湯気が吹き上がる。
    物陰から様子を見ているペンペン。
アスカ:「自分しかココにいないのよ。その自分も好きだって感じたことないのよ。」
アスカ:「アワレね。」
    倒れているシンジを見下ろすアスカ。
シンジ:「たすけてよ・・・。ねぇ・・・。誰か僕を・・・お願いだから僕を助けて・・・。助けてよ・・・。助けてよ・・・。僕を、助けてよォ!」
    テーブルをひっくり返すシンジ。それを見て驚くペンペン。
シンジ:「一人にしないで!」
    椅子を倒す。
シンジ:「僕を見捨てないで!僕を殺さないで!」
    椅子を床に叩き付ける。
シンジ:「・・・はぁ、はぁ」
アスカ:「イヤ」
    逆上し、アスカの首に手をかけ、絞め上げる。
    アスカの首を絞めるシンジとレイの首を絞める赤木ナオコ。
 
    幼いころのシンジが描いた絵。
     赤い顔をしたもの。
      小屋の中で血を流しているもの。
       赤い身体のものとそれを見ている女。
        青い服を着た男の子と赤い服を着てロンギヌスの槍を持っている女の子。
 
    バケツの中に2匹の魚そして月が映っている。
    ハラワタのみえている犬。
    瓶の中に入れられた魚の頭。
    身体を切られて血を吹く何者か。
    信号機。
    昼寝している猫。
 
    走馬灯のように駆け巡る過去のイメージ。
 
シンジ:「誰も判ってくれないんだ・・・」
レイ:「何も判っていなかったのね。」
シンジ:「イヤな事は何もない、揺らぎのない世界だと思っていた・・・」
レイ:「他人も自分と同じだと一人で思い込んでいたのね。」
シンジ:「裏切ったな!僕の気持ちを裏切ったんだ・・・」
レイ:「最初から自分の勘違い。勝手な思い込みにすぎないのに。」
シンジ:「みんな僕をいらないんだ・・・。だから、みんな死んじゃえ!」
レイ:「でも。その手は何のためにあるの?」
シンジ:「僕がいても、いなくても、誰も同じなんだ。何も変わらない。だからみんな死んじゃえ。」
レイ:「でも。その心は何のためにあるの?」
シンジ:「むしろ、いないほうがいいんだ。だから、僕も死んじゃえ!」
レイ:「では、なぜココにいるの?」
シンジ:「ココにいてもいいの?」
    <(無言)>
シンジ:「ひ・・・ひ・・・うわぁーーーーー」
 
    第2発令所
 
日向:「パイロットの反応が限りなくゼロに近づいていきます。」
青葉:「エヴァシリーズおよびジオフロント、E層を通過。なおも上昇中。」
MAGI:「現在、高度22万キロ・・・F層に突入。」
日向:「EVA全機、健在!」
青葉:「リリスよりのアンチATフィールド、さらに拡大。物質化されます。」
    さらに上昇を続ける黒き月。
    突如、光がおおい、リリスが大気圏外に身体を起こす。
    そして、その手で、持ち上げるように黒き月を覆う。
    大事そうに黒き月を見つめるリリス。
日向:「アンチATフィールド、臨界点を突破。」
青葉:「ダメです。このままでは個体生命の形が維持できません。」
    発令所の片隅でふるえているマヤ。
 
    左右六枚、計12枚の羽根をひろげるリリス。
 
冬月:「ガフの部屋が開く。世界の・・・始まりと終局の扉が、遂に開いてしまうか・・・」
    黒き月の周りに赤い光球が回り始める。
レイ:「世界が悲しみに充ち満ちていく。むなしさが人々を包み込んでいく。孤独な人の心を埋めていくのね。」
    死んだ人々の前に現れるレイ。
    そして、その身体はLCLへと変化している。
レイ:「ウフフフフ・・・フフフフ・・・フフフフ」
日向:「ひいぃーーーーーーー!ひいぃーーーーーーー!」
    日向の前に現れたレイが顔に手を伸ばすと、その姿がミサトに変わり、キスをする。
    そして、弾けてLCLに変わる。
青葉:「ふわぁ。ふわぁ。ふわぁ。ふわぁーーーーーーー!」
    近づくレイに怯える。
    ふれられたとたんにその体は溶けてLCLとなる。
冬月:「碇!お前もユイくんに遭えたのか?」
    近づいてくるレイが、ユイに変わる。
    割れたマグカップ。
伊吹:「ATフィールドが・・・。みんなのATフィールドが消えていく。これが答えなの?・・・私の求めていた・・・。はっ!」
    震えるマヤの手を後ろから覆うリツコの手。
    I need youとキーボードを叩くリツコの手。
リツコ:「マ・ヤ」
    マヤの顔をさすり、抱きしめるリツコ。
マヤ:「先輩!・・先輩!・・・先輩!・・・・先輩!」
    LCLへと変わる。端末のディスプレイにI NEED YOUの文字。
 
    暗い部屋の中
    モノリスに囲まれて座っているキール議長。モノリスが消えていく。
 
キール:「始まりと終わりは同じところにある。よい。全てはこれでよい。」
    LCLとなるキール。そのとき赤い光の玉が飛んでいく。
    残された亡骸は脊椎から下が、機械であった。
 
レイ:「うふふふふ・・・ふふふふ・・・ふふふふ」
 
    ターミナルドグマ
    右腕を抱えながら寝ているゲンドウ。
 
ゲンドウ:「この時を・・・。ただひたすら待ち続けていた。ようやく会えたな・・・。ユイ。」
    その傍らに立つユイ。
ゲンドウ:「オレがそばにいるとシンジをキズつけるだけだ。だから、何もしない方がいい。」
ユイ:「シンジが怖かったのね。」
ゲンドウ:「自分が人から愛されるとは信じられない。私にそんな資格はない。」
    ゲンドウの頭の方に立つカヲル。
カヲル:「ただ、逃げてるだけなんだ。自分がキズつく前に、世界を拒絶している。」
ユイ:「人の間にある形もなく、目にも見えないものが。」
レイ:「怖くて、心を閉じるしかなかったのね。」
ゲンドウ:「その報いが、このあり様か・・・。すまなかったな・・・シンジ。」
    初号機に頭から食われるゲンドウ。
    残された眼鏡を大事そうに拾う、包帯を巻いた制服姿のレイ。
    その後ろには、上半身を食いちぎられたゲンドウの足だけがたっている。
    そして、幼いレイと、裸のレイ。
 
エヴァシリーズ:「うっ・・・・・うっ・・・・・」
    ロンギヌスの槍を胸に突き刺し悶える。
エヴァシリーズ:「ふぅぁーーーーーー。ふぅぁーーーーーー」
    次の瞬間、巨大な柱のような、たくさんの十字架が地表から突き出していく。
    そして、赤い光球が飛び出す。
    はりつけになったかのようなエヴァシリーズ。
    いったん、黒き月に集まった赤い光球がリリスの手のひらに吸い込まれていく。
    リリスの額が割れ、女性器を思わせるようなその窪みが現れる。
    そしてそこに生命の樹へと還元された 初号機が吸い込まれていく。
 
シンジ:「はっ・・・あやなみ?・・・・レイ!」
    リリスの中では、無数のレイが泳いでいる。
    はじける非常口のイメージ。
    車のクラクション。
    救急車のサイレン。
    鐘の音。
    踏切の音。
    交差点を行き交う車の音。
 
「嫌い・・・。誰が、あんたなんかと・・・。勘違いしないで。」
「あんたのことなんか好きなわけないじゃないの。」
「私の人生に何の関係もないわ。」
「もう、あっち行ってて。」
「ですから、もう電話してこないで下さい。」
「ちょっと、つきまとわないで・・・。勘違いしないで。」
「一番嫌いなタイプなのよ。」
「情けないわね・・・。だいっっキライ。」
「あは・・あは・・・・・あははははは・・・」
「もうあっち行ってて・・・。しつこいわね。」
「あは・・あは・・・・・あははははは・・・」
「意気地なし。」
 
ミサト:「そんなにツラかったら、もうやめてもいいのよォ」
レイ:「そんなにイヤだったら、もう逃げ出してもいいのよ。」
ミサト:「楽になりたいんでしょ。安らぎを得たいんでしょ。私と一つになりたいんでしょ・・・心も身体も一つに重ねたいんでしょ。」
アスカ:「・・・でも。あなたとだけは、ゼッタイに死んでもイヤ。」
 
    送電線。
    人の目。
    空の客席。
    電車。
    猫。
    東京。
    ゆれているブランコ。
    車窓から見た東京。
    人が行き交う雑踏。
 
シンジ:「ねぇ?」
ミサト:「何?」
シンジ:「夢って、何かな?」
アスカ:「夢?」
レイ:「そう・・・夢。」
    人ごみ。満員の客席。
 
<「気持ち、いいの?」>
 
シンジ:「判らない。現実がよく判らないんだ。」
レイ:「他人の現実と自分の真実との溝が、正確に把握できないのね。」
シンジ:「幸せが何処にあるのか、判らないんだ。」
レイ:「夢の中にしか幸せを見いだせないのね。」
シンジ:「だから、これは現実じゃない。誰もいない世界だ。」
レイ:「そう、夢。」
シンジ:「だから、ココには僕がいない。」
レイ:「都合のいい、作り事で現実の復讐をしていたのね。」
シンジ:「いけないのか?」
レイ:「虚構に逃げて、真実をごまかしていたのね。」
シンジ:「僕一人の夢を見ちゃいけないのか?」
レイ:「それは夢じゃない。ただの現実の埋め合わせよ。」
 
    満員の客席。
    ざわめき。
    空の客席。
 
シンジ:「じゃあ、僕の夢はどこ?」
レイ:「それは、現実のつづき。」
シンジ:「僕の現実はどこ?」
レイ:「それは、夢の終わりよ。」
 
    リリスの首筋から噴きだす血しぶき。
    その血は月にまで達している。
    弓なりに倒れるリリス。
        
    水面と重なって見える満月。
    レイとシンジ、お互い裸で、レイが、シンジの上にまたがった形。
 
シンジ:「はあーーーーー。あやなみ・・・ココは?」
レイ:「ココはLCLの海。生命の源の海の中。ATフィールドを失った、自分の形を失った世界。どこまでが自分で、どこからが他人なのか判らない曖昧な世界。どこまでも自分で、どこにも自分がいなくなっている静寂な世界。」
シンジ:「僕は死んだの?」
レイ:「いいえ。全てが一つになっているだけ。これが、あなたの望んだ世界そのものよ。」
    浮かびだすミサトのペンダント。
シンジ:「・・・でも、これは違う。違うと思う。」
レイ:「他人の存在を、今一度望めば、再び心の壁が全ての人々を引き離すわ。また、他人の恐怖が始まるのよ。」
シンジ:「いいんだ・・・」
シンジ:「ありがとう。」
    レイの手を握るシンジ。
    レイに膝枕されて、寝ているシンジ。
    手にはミサトにもらったペンダントを持っている。
シンジ:「あそこでは・・・イヤな事しかなかった気がする。だから、きっと逃げ出してもよかったんだ。でも、逃げたところにもいいことはなかった。だって・・・僕が、いないもの・・・。誰もいないのと同じだもの。」
カヲル:「再びATフィールドが、君や他人をキズつけてもいいのかい?」
 
    シンジ とレイの前に立つカヲル。
 
シンジ:「かまわない・・・でも、僕の心の中にいる君達は何?」
    制服姿で畑の 中に立っている三人。人々が沸いてくる。
レイ:「希望なのよ。ヒトは互いに判りあえるかも知れない・・・ということの。」
カヲル:「好きだ、という言葉とともにね。」
    景色が大地、森、道路、人ごみへと変わっていく。
シンジ:「だけど、それは見せかけなんだ。自分勝手な思い込みなんだ。祈りみたいなものなんだ。ずっと続くはずないんだ。いつかは裏切られるんだ。・・・僕を見捨てるんだ。」
シンジ:「でも、僕はもう一度遭いたいと思った。その時の気持ちは本当だと思うから。」
    浮かんでくる、みんなのイメージ。
 
    リリスが倒れ、羽根がたたまれていく。
    そして、その目を破って初号機が出てくる。
    12枚の羽根をひろげ、雄叫びを上げる。
    青白い光が、地表を這うように放射状に伸びていく。
    エヴァシリーズが取り囲む黒き月に子午線と経線を描くように赤い線が刻まれる。
    倒れたリリスの身体が、風化するように溶けていく。
    そして、黒き月がはじけ、赤い光球が地表を流れる。
 
カヲル:「現実は、知らないところにある。夢は現実の中に・・・」
レイ:「そして、真実は心の中にある。」
カヲル:「ヒトの心が、自分自身の形を造り出しているからね。」
レイ:「そして、新たなイメージがその人の心も形も変えていくわ。イメージが、創造する力を、自分の未来を、時の流れを・・・造り出しているわ。」
 
    もげて落ちたリリスの首が、地表に落下する。
 
カヲル:「ただヒトは、自分自身の意志で動かなければ何も変わらない。」
レイ:「だから、見失った自分は、自分の力で取りもどすのよ。たとえ、自分の言葉を失っても・・・。他人の言葉が取り込まれても・・・」
 
    初号機が、自らロンギヌスの槍を口から引き抜く。
    ロンギヌスの槍が光を発し、エヴァシリーズのロンギヌスの槍も消え去る。
 
レイ:「自らの心で自分自身をイメージできれば、誰もがヒトの形に戻れるわ。」
    地表に落下するエヴァシリーズ。
 
ユイ:「心配ないわよ。全ての生命には復元しようをする力があるの。生きてこうとする心があるの。生きていこうとさえ思えば、どこだって天国になるわ。だって生きているんですもの・・・・・幸せになるチャンスはどこにでもあるわ。」
  
    羽根を折り畳むエヴァ初号機。
    上昇していく光の十字架。
    初号機の目の光が消える。
    宙に漂う光の十字架のような初号機。
 
ユイ:「太陽と、月と、地球が、ある限り・・・。大丈夫。」
 
    水が滴る音。
  
ユイ:「もう、いいのね?」
シンジ:「・・・幸せがどこにあるのか、まだ判らない。だけど、ココにいて、生まれてきてどうだったのかは、これからも考え続ける。だけど、それも当たり前のことに何度も気づくだけなんだ・・・。自分が自分でいるために・・・」
    シンジの頬をさするユイ。
    シンジとユイが離れていく。
    LCLの海から浮き上がるシンジ。
    水面に浮いている。
    地上では、リリスであるレイの大きな顔が、まっぷたつに割れていく。
シンジ:「でも、母さんは・・・母さんはどうするの?」
 
    湖畔の大きな木の下で話をしている冬月とユイ。
    ユイはシンジを抱いている。
 
冬月:「ヒトが神に似せてEVAを造る、これが真の目的かね?」
ユイ:「はい。ヒトはこの星でしか生きられません。・・・でも、EVAは無限に生きられます。その中に宿る人の心とともに・・・。」
ユイ:「たとえ、50億年たって、この地球も、月も・・・太陽さえなくしても残りますわ。たった一人でも生きていけたら・・・。とても寂しいけど、生きていけるなら・・・」
冬月:「ヒトの生きた証は、永遠に残るか・・・」
 
    初号機とロンギヌスの槍が暗闇に遠ざかっていく。
 
シンジ:「さよなら・・・。母さん」
 
 
<Bパートアイキャッチ THE END OF EVANGELION  ONE MORE FINAL:I need you.>
 
 
    地表に落ちているレイの、リリスの顔。
    海は赤い。
    ミサトのペンダントの装飾の部分だけが杭に打ち付けられている。
    はりつけになっているエヴァシリーズ。
    しかし、石化したかのような色になっている。
    空には星が輝いている。
    波の音以外には、何も聞こえない。
    月に赤い一筋の線がかかっている。
    波打ち際に二人寝ているシンジとアスカ。
    アスカは右腕に包帯を巻き、左目には眼帯を当てている。
    シンジがチラリと右肩の方に目をやる。
    そこには制服姿のレイがいた。
    しかし、 次の瞬間には消えていた。
 
    砂上に横たわっているシンジとアスカ。
    何もせず、ふれあわない二人の手。
 
シンジ:「うう・・・」
    アスカに馬乗りになって首を絞めるシンジ。
シンジ:「くう・・・・うううっ・・・・」
シンジ:「ううううっ・・・・うっ」
    アスカの手がシンジの頬をさする。
シンジ:「ううううっ・・・・うっ」
    強く絞めていた手をのけて、肩を震わせながら泣き崩れるシンジ。
シンジ:「っははっ・・・・・・。くつつっ・・・。くうっ。くっ」
シンジ:「っははっ・・・・・・。くつつっ・・・。くうっ。くっ」
シンジ:「くっううううっっっっっっっ。くっっっっっっう」
シンジ:「くっううううっっっっっっっ。くっっっっっっう」
    シンジをチラリと見るアスカ。
アスカ:「キモチワルイ・・・」
終劇 
 楼主| 发表于 2004-2-7 23:39:19 | 显示全部楼层
粗略找了一下发现的……估计有现成文本的台词也就这两集了。

感兴趣的人不妨自己再去找找,说不定有好事的日本人已经整理出来了……
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